常設展のご案内をいたします。
現在展示しているなかの一つ、中村正義の作品です。
「風景」
日本画
523×676 cm
中村 正義
一見して油彩画のような印象を受けますが、岩絵の具を用いた日本画です。
中村正義さんは、「速水御舟の再来」と謳われるほどの見事な日本画を描いていましたが、
4年にわたる療養生活の末に、このように荒々しい筆致へと画風を変貌させていきます。
また、ボンドや蛍光塗料などの異素材を用い、独特の表現を追求しました。
中村正義さんは若くして新日展の審査員に選ばれましたが、一年ほどで脱退し、闘病生活を続けながら個展を中心とした発表を続けました。
その後発行された著書『創造は醜なり』(中村正義 著/美術出版社)では、「大人の中に、自身の傷つくことをいとわない人間が出てこなくてはいけない。」と語られており、現実を直視して理想を追う作家の姿勢が伺えます。
それでも、「師の壁画の仕事を手伝ったときは好き勝手に描いてしまうので、すぐに手伝いを断られた」というエピソードを聞くと、反骨精神以前に少しヤンチャな気質が見えるような気がして、親しみが湧きます。
中村正義さんの甥のかたは、東京で画廊をされていたのですが、奥様がお店にいらした時、この作品を見て「中村の一番いい時代の力のある作品です」と大変喜ばれていました。
しみじみと、感慨深く作品を眺めてられました。
中村正義さん、日展を脱退した翌年から毎日向かったといわれる自画像のシリーズも、かなり鮮烈です。
自画像と言えば・・・・・・!!
7月23日から始まる企画展「吉村芳生展」でも、作家が毎日描くという自画像が展示される予定です。
「新聞と自画像シリーズ」
紙・鉛筆
吉村芳生
吉村さんはどのような想いで、こういった制作方法に辿り着いたのでしょう?
7月24日には、作家本人によるギャラリートークもございます。
是非足を運ばれてください^^
「色鉛筆で描く花の世界 吉村芳生 展」
--------------------スタッフ・あかり